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「じゃん!!どう?似合う?」
ワンピースだったけどぴったりだった。
「紫音……。」
「えっ?」
「あっ、いやなんでもない、似合ってるよ。」
紫音って誰だろう?彼女さんとか?友達?でもワンピースだから女の人ってことはわかった。
「そろそろ帰るだろ?家まで送るよ?」
「ありがとう!寧夏おばさんも心配してるかもしれないしね。」
「あぁ、そうだな」
ポンポンと撫でてくれる。この人になら触られても大丈夫みたい……。他の人はまだ怖いけど……。って子供扱いされてないか心配になる。
「ここまででいいよ?ありがとう泊めてくれて……!」
家の目の前まで送ってくれた翔太さんは優しいと思った。
ーガチャ
「雫!!」
「寧夏おばさん!」
「心配したじゃない、隣の男の人といたの?」
「あっ、ごめんなさい……そうだよこの人といた!」
不信感が見える寧夏おばさんを安心させたくて紹介しようと思ったら翔太さんが前に出た。
「?」
「紹介が遅れました翔太とお申します。大事な娘さんを1日なにもいわずに預かってしまってすみませんでした。」
えっ?翔太さんって私より偉いのにそんなことしていいの?
「あなたなら大丈夫そうね、安心したわ。」
そう言って微笑んでくれた寧夏おばさんにつられて私も笑ってしまった。
「この人と出会って調子がいいんだ!」
「それは良かったわね」
「では俺はここで失礼します。またな雫……。」
去っていく後ろ姿を見て涙が出てきた。
「雫、、?」
「なんでだろ、離れるのが怖いんだ。」
「翔太さーん!」
振り向いてくれた翔太さんはびっくりして駆け寄ってきてくれた。
「どうした?どっか痛いのか?」
「違う……離れるのが怖いんだ。」
「今日も夜出てこれそうだったら出ておいで?俺も出てくるから。」
「ん……ぐすっ……。」
ゆっくり離れていった翔太さん。
「雫ちゃん、あの人が好きなのね♡」
「えっ?」
全く思ってなかった言葉が飛び込んできた。
「まだわかんないけどそうかもしれない……。」
「絶対あの人も雫ちゃんのこと好きよ?女の勘舐めちゃダメよ♡」
さぁ部屋に行きましょーって言って寧夏おばさんは、家の中に入っていった。
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