翔太さんとの出会い

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翔太さんが私を好き……。 いやいやいや、ありえないありえない。 こんな私を好きなんて……。 寧夏おばさんの勘違いだよ。 『お前は疫病神なんだよっ!』 『あー嫌だあんたの顔なんて見たくもない』 突然フラッシュバックし、その場にしゃがみこんで耳を押える。 「もうっ!やめてぇ!」 リビングにいたから寧夏おばさんがすぐに駆け寄ってきてくれた。 「雫ちゃん!どうしたの?」 「寧夏おばさん……。幻聴がうるさくて」 「薬持ってくるわねちょっと待ってて」 すぐに2階にあがり私の部屋から薬を取りに行ってくれた。それを私は直ぐに飲んだ。 ーゴクッ リスペリドンっていう薬なんだけどこれ苦くて苦手なんだよね。 その間ずっと寧夏おばさんは背中をさすってくれていた。 すると自然と収まり薬の効果なのか少し眠くなってきた。 「そのまま眠ってもいいわよ?」 「ん。」 そのまま私は眠りの中に吸い込まれていった。 side寧夏おばさん 雫ちゃんが帰ってこない……。 毎晩出かけてるのは知っていたんだけど、こんな時間まで帰ってこないことは無かった。 探し回るには危険すぎる。ここら辺紅蘭っていう暴走族が最近出てきてるって聞いたことがあるから巻き込まれるのは怖い。 ーガチャ 「雫!!」 朝の8時半雫が帰ってきた。 「寧夏おばさん!」 良かった。元気そう、最近体調良さそうな感じなんだよね。 でも隣の男性は誰だろう? 雫とはとっても仲が良さそう。 この人のおかげかな?体調がいいのは……。 まぁとりあえず無事に帰ってきてくれてよかった。 side雫 「んんッ」 今何時……? 正午か……。 ーコンコン 「雫ちゃん、お昼ご飯食べる?」 「んー、少し食べようかな?」 私の大好きなオムライスだった。 たまごふわふわの。 今日はお腹が少し空いていたので半分くらい食べると寧夏おばさんは、とても喜んでくれた。 ご飯を食べ終わると部屋に行き、エブリイを開く。 いつものように物語を書いてるとドアをノックする音がした。 「はぁい、」 「今朝の男の子が来たわよー。」 えっ、翔太さんが? 急いで階段をかけおり、玄関に行くと本当に翔太さんがいた。 「翔太さんどうしたの?」 「俺がいいって言うまで外に出るな。」 「どーして?」 「紅蘭のヤツらが暴走し始めて今も冷戦状態なんだ。いつ乱戦が始まるか分からない。」 なんか大変なことが起きてるんだ。 「最近暴走してなかったからほっておいたがもうこれ以上ほっとけない。確実に潰す。心配するなこう見えても白龍の総長だぞ?関東一の、」 そうだよね。簡単に負けないよね。 「わかった。待ってる。」 強く頷く。すると翔太さんは私の頭をよしよししてくれた。 翔太さん私の頭ヨシヨシするの好きだよね。 妹感覚なのかな?それだと嬉しいな。 そして私は夜また1人になったけど翔太さんが私の町のために頑張ってくれていると思うと乗り越えられた。
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