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あれから1週間たった。
まだ翔太さんは来ていない。
夜になると外が騒がしくなる。
男の人の叫び声が聞こえる。
その度に耳を塞いだ。大丈夫だと思ってても心配してしまう。もし刺されたりしたらとか殴られたりとかしたら痛そうだし?血もいっぱいでるし……。
「いやねぇ、最近の夜は……。物騒になったもんだよ。」
「心配だよ。翔太さんが……。」
寧夏おばさんと話してると玄関のチャイムがなった。
「こんな夜に誰かしら?」
そう、今の時刻は10時半なのだ。
「ふふっ、お待ちかねの彼が来てるわよ?」
笑いながら寧夏おばさんは私を玄関まで呼んだ。すると少し怪我してるけどいつもの翔太さんがいた。
だんだん目の前がぼやけてきて姿を確認した途端涙が出てきた。
「良かった……死んでなくて……。」
「勝手に俺を殺すな……。待たせたな。遅くなってごめんな、意外と手こずった。」
ぽんぽんと頭を撫でてくれて安心した。
「りん達も待ってるぜお前に会いたいって」
「うん!私も会いたい。」
「行こーぜ、また夜の街へ」
寧夏おばさんは私を笑顔で送り出してくれた。
走ること15分懐かしい倉庫に着いた。
「雫さん!お久しぶりです!!会いたかったでーす!!」
「りんさーん!お久しぶりです!!」
また視界がぼやけてきた。
みんな元気そう。乱戦のあとじゃない雰囲気みたい。
「みんなほんとに強いんだね。ほとんど怪我してない。」
「当たり前っすよ。関東一ですからね。あんな子供の集まりみたいなグループ秒っすよ秒。」
赤髪の子が教えてくれた。
確かこの子の名前は藤堂加骶だった気がする。
珍しい名前だったから覚えてる。
「ありがとう藤堂くん。」
「あれ?名前教えましたっけ?」
「あっごめんね、翔太さんに聞いた。」
1週間前倉庫に通う子の名前ほとんど教えてもらったからまだ一致してない子いるけどだいたい覚えた。
「ありがとうございますっす!」
「いえいえこちらこそお邪魔してるんでこれくらい楽勝です!」
とても行儀がいい人だなと思った。
毎回行く度に挨拶もしてくれるし帰る時も気をつけてくださいっすってトランプもわからないやつは丁寧に教えてくれた。
りんさんの次に仲がいいのはこの人かもしれない。そんな感じがする。この人は怖くない。
さすがの私でもいい人と悪い人の見分けぐらい出来るっていうかこの病気にかかってできるようになった。以前は誰とでも仲良くできてたのに病気にかかって内気になった。人と関わるのが怖くなってそれからかな人と関わらなくなったのは……。
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