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学校には行っていない。
ドクターストップがかかってるため行きたくても行けない。
まぁ、あんな地獄みたいなところ自ら行こうとは思わないけどね。
現在高校二年生だけど、出席停止となっている。
翔太さんは学校かな?仕事かな?
というか、翔太さんって何歳なんだろう?
今度会った時に聞いてみようっと!
「ふぁゎ……。」
今日寝てなくて今頃眠くなってきた。
今日はもう寝ようかな……。
ベッドに入ると睡魔がすぐに襲ってきてすぐに眠ることが出来た。
寝るのが久しぶりすぎて気持ちよかった。
「んん……。」
今何時?
部屋の時計は15:30を指していた。
「寝すぎた……。」
ーコンコンッ
「雫ちゃん、起きたのね…。」
「寧夏さん、すいません寝てました。」
「いいのよ……!最近寝れてなかったみたいだから寝れてよかったわね……。」
おばさんは嬉しそうに笑う。
それにつられて私も笑う。
病気にかかってからこんなにもぐっすり寝れたのはいつぶりだろう?もう長いこと寝れてなかった気がする。
翔太さんのおかげかな、なんてね……。
久しぶりに人の体温に触れたことも大きく影響してるのかな?
今度会った時に感謝しないと……。
「夜ご飯はどうする?」
「ごめんね、いらないかな?」
朝ごはんを食べたからお腹がすいていないんだ。
「そう…わかったわ、でも冷蔵庫におにぎり入れておくわね。」
そう言ってそっと部屋から出ていった。
いらないと言っても何か必ず用意して置いてくれてるところがありがたい。
1人になった私は、スマホをたち上げ、エブリィを開く。
エブリィっていうアプリは小説が書けたり、読めたりするアプリで、好きな作家さんとかにはハートを送れたりするんだよね。
そこで私は、雫涙っていう名前で活動してるんだ。
フォロワーさんは300人くらいいるんだよ。
そんなに多くはないけど少なくもないって感じかな?
作品管理を開いてひとつの物語を選ぶ。
すると頭の中で一気に色んな物語が膨らんできた。
唯一病気のことを忘れられることの出来る時間だ。
その時だけ色んな世界へ旅立つことが出来る。
例えばね、ドラゴンと戦ったり、空を飛んだり、はたまた、恋愛したり、泣いて笑って、青春したり、今できないことが出来る空想の世界。
私にとって生きがいの場所。
このアプリを紹介してくれた私の親友 二階堂さとみくん。
二階堂財閥の一人息子で住む次元が違うけど、一般人の私と仲良くしてくれる優しい男の子。
さとみくんの両親も私なんかに優しくしてくれる。病気だってわかっても優しくしてくれる優しい人たちです。
仕事で忙しそうだけど夕食は必ず一緒に食べるって言ってたっけな?
なんか羨ましいな……。
私には両親と呼べる人はいないから…。
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