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「そうだっ!白龍の所に行きたいな!」
「行ってどうする?」
「翔太さんの仲間に挨拶したい!」
「だめだ…。」
お願い、行きたい、行きたいです。
そんな願いを込め翔太さんを見つめる。
「……はぁ、俺から離れるなよ……。」
「っ!うんっ!」
やったーっ!これでもっと翔太さんの事知れる!
1人でガッツポーズを決めてると手が伸びてきた。
「ん?」
「ん?じゃねーよ!ほら、手繋ぐぞっ。」
「あぁ、はいっ!」
お兄ちゃんいたらこんな感じなんだろうな…。
そんなこと考えながら歩いてるとでっかい倉庫に着いた。
「うわぁ、でっかい。」
「でかいだけでただの倉庫だ。ほら、入るぞ……。」
中に入ってみると全然雰囲気と違った。
でっかいテレビがあって、それに似合うソファとテーブルがあって、オシャレなカフェに来たみたいだった。
「そ、そーちょーっ!」
中にいた人たちがいっせいにこちらを見た途端、そーちょーと叫んだ。
そーちょーってあの総長?ん?待てよ、私の他に一緒に入ってきたのは翔太さんだけだよね?
ってことは……ええぇええっ!翔太さんは総長でしたか!そんなにすごい人と話してたなんて。
「お前らうるさい……」
そう言ってズカズカと歩きソファに身を沈めた。
「うるさいってないっすよー!昨日は大丈夫だったんすか?」
赤髪の男の人が翔太さんに話しかけに行った。
「雫……こいつらが俺の仲間だ。」
ーバッ!
そういうとその場にいた全員がこちらを振り向いた。そして困惑しきった顔をした。
「総長、新入りっすか?」
「いやぁどう考えても新入りじゃないですよ。」
「もしかして彼女?」
新入りから彼女になってかってに盛り上がってる。
「あのぉー、彼女では無いです。」
そういうとその場が更に盛り上がった。
「じゃあじゃあ俺にもチャンスがあるってこと?」
「はぁ?お前にはねーよ!」
喧嘩になりそうなところで翔太さんが一喝した。
「雫にはその気はなくても俺は分かんねーぞっ!そしておまえら挨拶は?」
おおーこれが総長さんの力ですか!
さすがです!
「総長すんません、俺ら白龍っていう暴走族で俺が副総長の佐神燐っす、りんって呼ばれてるんでりんって呼んでください。」
さっきの赤髪の人が副総長なんだ。
どーりで翔太さんと仲良さそうな気がした。
というか翔太さん倉庫にきてから笑顔だ。
翔太さんにはここが安心できる場所なんだ!
覚えとこっと!
「じゃありんさんで!私は柊雫です。よろしくお願いいたします。」
「雫さんっすね!おぼえました!」
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