16人が本棚に入れています
本棚に追加
理沙は、真由の寂しそうな、いや、何となく、退屈そうな表情が、心に刺さった。なぜなら、真由の表情が、まるで、自分のそれを見ているような気がしたからだ。あれは、かなりつらいだろうな。理沙はそう思った。
だって、今、自分たちが抱えている問題は、今の自分たちでは、解決の仕様がないのだから。ずっと、こんな風に、部屋に閉じこめられていて、人とモニターやガラス越しにしか触れ合えないのだから、息が詰まって当たり前だ。しかも、真由の家族は潔癖性か何か知らないが、家族の触れ合いすら無いのだ。理沙は真由のことが心配だった。
いや、本当は、自分自身のことこそ、かなり心配しなければいけない状態なのかもしれない。理沙は、ふと、そう思った。
最初のコメントを投稿しよう!