猛毒に囚われて

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「関係者以外立ち入り禁止です」 「っるせーな財布忘れたんだよ退け」 「駄目だ他に君の身分を」 イラッとして警備員を殴り飛ばしてしまった。それを見ていた周りは慌てて俺を取り押さえてきた。うぜぇ!!そもそもあの野郎が俺を犯したのが悪い… 警備員が俺を殴ろうと警棒を振りあげればそれは誰かによって止められた。そして警備員はその人物を見て道を譲って縁に退いた。 「へぇ。元気じゃん」 「テメェ…!!ケツ出せ掘って鳴かす!!」 「皆離して良いよ」 目の前にしゃがまれ、抑えていたヤツらが俺を離せば髪を掴んで顔をあげさせられた。 「痛ぇ!」 「俺にそんな言葉遣いして良いのか?ネットにお前のエロい姿流れるぞ?」 耳元で囁かれ、俺は抵抗をやめた。このビル燃やしたら流石に警察に逮捕されるよな。どうやって撮られた物を消すか悩んでいれば男は立ち上がって歩いていくのでハッとして立ち上がって一歩踏み出したが膝から崩れ落ちそうになった。 だがなんとか体勢を立て直してついて行く。俺が寝かされていたあの部屋で床に財布が落ちていた。俺は部屋で二人きりになったので、キョロキョロとカメラが無いことを確認して扉へ向かい鍵をかけた。 「テメェほらケツ出せよ。俺掘ったんだから掘られても文句言えねーよな」 「飲み比べで負けた癖に偉そうだな?」 小馬鹿にされたように笑みを浮かべられ、イラッとしてしまった。
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