元ヤンの小話

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 この言葉で、私は、どこかでしまっていた勇気を取り戻し、色々なことに整理をつけるようにしました。  ヤンキーをやめ、親にも自分が抱えていた悩みを打ち明け、中学の勉強も真面目に受け、いじめっ子もボコボコにした。  ん? 最後がおかしい? あっ、語弊がありました。「けちょんけちょんに言い返した」だ。そいつらがボコボコにされたように、ショックな表情を浮かべてたのを思い出したので、そう言ってしまいました。余談ですが、あのТ、受験に落ち続けて、第三希望の高校に行ったそうです。しかし、すぐに中退。  あの、同級生がよく言っていたセリフなのですが、一度、この場を借りて、言っていいですか? すいません。  (カメラを凝視する)  「・・・はい、ざまぁー!」  さて、私は、どうしたのかっていうと、途中から頑張り始めたので、あまりいい高校がありませんでした。仕方なく、あの幼馴染に相談すると、意外な返事が来ました。  「私と同じ高校にしない? お互い家から歩きで行けるし。」  「えっ・・・。」  一瞬、動揺しました。この言い方、この恥ずかしそうな言い方、俺、恋愛対象に入ってるのか!?  大きな期待で胸が高ぶる元ヤン青年でしたが、彼女は、顔を赤くして言いました。  「か、勘違いしないでよ! また不良になったら、困るから。保護観察よ。」  「保護観察? ハッ、刑務官みたいなことを言うな。」  「そうよ。あんたが悪さをしないように、見てないと。あっ、首輪とかリードも付けないと。」  「待て待て。それだと、囚人ではなくて、犬みたいじゃないか。」  長い自慢話をさせていただきました。  まぁ、でもあれだね。まだ言ってないことがあったね。この場を借りて、もう一つ、言わせていただきます。  「ありがとう。」  以上が、しがない元ヤンの自慢話でございます。ご清聴ありがとうございました。 (終)
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