本物の気持ち

6/6
421人が本棚に入れています
本棚に追加
/19ページ
 空木の言葉を聞いて、秋元が空木を抱き締めてきた。  温かくて優しい。  秋元に抱き締められてわかった。  本当はもっと早くからこうしていたいと望んでいたことが——。  「空木君。じゃあ俺の恋人になってくれる……?」  秋元は今にも涙が溢れそうな潤んだ瞳で、空木に訊ねてきた。 「はい」  空木が頷くと、秋元が空木に顔を寄せてくる。空木に唇を近づける——。  空木は秋元のキスを受け入れる。まるで恋人になった証みたいなキスだ。 「空木君。大好きだ」  そう囁いて、秋元はまたキスを重ねてくる。何度も。な、何度も。  何回キスしたら気が済むんだ……?  キスをやめたと思ったら、今度は空木を抱き締め、いつまでも離さない。  あの……秋元さん……。  俺、飛行機の時間が心配です……。
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!