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 私の傘は突然に話し始めた。 「なんだ、緊張しているのか。さっきから変な顔をしているぞ」  宮崎ハル。高校二年生。四月、登校初日、通学路での出来事だった。  私は自分の赤い傘と話せるようになった。  私の愛用している赤い傘。柄の部分は黒く、高校生が持つ傘にしては大人っぽいデザインなんじゃないかと思う。耳と口は付いていない。
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