冬の途中

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冬の途中

 冬休み前の三者面談での話し合い。冬休み中に家で母との話し合い。その結果、私は地元の大学を受けることにした。成績が良くたって興味が無ければ大学に行ったって仕方がない、と思っていた私。図書室で先生と会って話したこと。興味半分、進学なんてという気持ち半分で、スマートフォンで地元の大学を調べたこと。それが私を大学に進む気にさせた。 「いろんな学科があって、どれもいいなあって思って」  今まではテストで点を取るために勉強をしていたが、これからは将来の私のために勉強をしなければいけない。 「家からちょっと離れているけど、通える距離ではあるから」  今日は冬休みが明ける前日。冬休みもあと数日で終わる頃、歩くことが好きな私でも外に出ることを憚られるくらいの大雪が降った。そのせいで冬休みが一週間ほど伸びたのだ。十日近く不必要な外出は控えるように言われていたから、久しぶりの外の空気だ。雪はまだ除雪が必要なところはあるが、長靴を履けば歩くことに苦労しない。 「もう遅刻も欠席もできないなあ。真面目にするよ」  当たり前だろう。そういう言葉が返ってくると思った。 「ねえ。そうだよね」  前からそうしておけば今更焦ることなんてなかったのに。そう返ってくると思っていた。   返ってこなかった。
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