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第一話
カルメリア帝国王城――――
一歩一歩、決してカーペットを歪まさせないよう、靴からコツコツと音を立てさせ、歩く。
そして、二階のらせん階段から右に二つ目の部屋の前へ。そして、ドアをたたきながら言う。
「お嬢様!もう朝ですよ!今日は平日です!」
中からは、「うん」とも「すん」とも聞こえない。やれやれ・・・・・・・・・
「入りますよ」と、断りを入れ、部屋に入る。其処には、ベッドの上で布団にくるまっている我らがお嬢様――マリア・ルーヴィッヒ・カルメリアが居た。
「お嬢様!」
もう一度呼んでみる。が、反応は無い。仕方ないなぁ・・・・・・・・・
バサッと、音を立てながら私は、布団を奪い取る。
「ちょ、何するのよ!ルイ!」
「『何するの』じゃ、ありませんよ!今日は学校です!」
「え、マジ?」
「ええ、『マジ』です。休日は昨日までですよ。」
「やっばいじゃん!」
そういうとお嬢様は慌てた様子で跳ね起き、髪を整え始めた。
「今からエリアを呼んできます。」
「ええ、宜しく!」
まったく、お嬢様ながらにしてグダグダだな・・・・・・・・・と呆れられても当然のお方だ。
「エリア!お嬢様の身支度を頼む。」
「かしこまりました。」
私の名は、ルイ・ドルシェ・アラン。此処、「カルメリア帝国」王城にて執事長を務めている。齢は14。お嬢様と同い年で、「カルメリア第一学園」中等部二年生。クラスのはΣ。お嬢様もぎりぎり同じクラスだ。下にはα、β、χ、Δとある。……どうでもいい話か。
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我、此処二、日常ヲ、記ス。
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