第一話

1/1
前へ
/1ページ
次へ

第一話

カルメリア帝国王城―――― 一歩一歩、決してカーペットを歪まさせないよう、靴からコツコツと音を立てさせ、歩く。 そして、二階のらせん階段から右に二つ目の部屋の前へ。そして、ドアをたたきながら言う。 「お嬢様!もう朝ですよ!今日は平日です!」 中からは、「うん」とも「すん」とも聞こえない。やれやれ・・・・・・・・・ 「入りますよ」と、断りを入れ、部屋に入る。其処には、ベッドの上で布団にくるまっている我らがお嬢様――マリア・ルーヴィッヒ・カルメリアが居た。 「お嬢様!」 もう一度呼んでみる。が、反応は無い。仕方ないなぁ・・・・・・・・・ バサッと、音を立てながら私は、布団を奪い取る。 「ちょ、何するのよ!ルイ!」 「『何するの』じゃ、ありませんよ!今日は学校です!」 「え、マジ?」 「ええ、『マジ』です。休日は昨日までですよ。」 「やっばいじゃん!」 そういうとお嬢様は慌てた様子で跳ね起き、髪を整え始めた。 「今からエリア(メイド)を呼んできます。」 「ええ、宜しく!」 まったく、お嬢様ながらにしてグダグダだな・・・・・・・・・と呆れられても当然のお方だ。 「エリア!お嬢様の身支度を頼む。」 「かしこまりました。」 私の名は、ルイ・ドルシェ・アラン。此処、「カルメリア帝国」王城にて執事長を務めている。(よわい)は14。お嬢様と同い年で、「カルメリア第一学園」中等部二年生。クラスのはΣ(シグマ(s))。お嬢様もぎりぎり同じクラスだ。下にはα(アルファ(A))β(ベータ(B))χ(カイ(C))Δ(デルタ(D))とある。……どうでもいい話か。 ___________________________________ 我、此処二、日常ヲ、記ス。
/1ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加