カフェデート

2/2
前へ
/82ページ
次へ
「うわっ、すごい……」 カフェに入ると、オシャレな雰囲気で満ち足りていた。 白とベージュをメインにつくられている店内は、気分を落ち着かせてくれるようだ。 「席どこがいい?」 先輩はこのカフェに来たことがあるようで、慣れているようだった。 「えっと、どこでも大丈夫です」 「じゃああそこでいいか」 僕が先輩について行くと、端っこにある席に着いた。 椅子に座ると、店員さんがメニューを持ってきてくれる。 「ご注意がお決まりでしたらベルでお呼び出しくださいませ」 僕はお礼を言うと、メニュー表をみた。 ……!どれも美味しそう。 あ、このパフェいいな。 クマのクッキー乗ってるんだ。可愛い! あ、でもストロベリーチーズケーキも迷うな……。 僕があれこれ迷っているうちに、先輩はもう決めたようで僕が決めるのを待っていてくれた。 悩みに悩んだ末、結局パフェを選んだ。 「決まったか?」 「はい!くまさんの乗ったパフェにします」 「飲み物は?」 「んー、ミルクティーで」 「ん、りょーかい」 叶翔先輩は店員さんを読んで、僕の分も注文してくれた。 「カフェオレ1つ、ミルクティー1つ。後ストロベリーチーズケーキとクマクマパフェを1つずつお願いします」 店員さんは「かしこまりました」というと、キッチンへオーダーをしに戻った。 先輩がストロベリーチーズケーキを頼んだことに驚いて先輩の方を見ると、「食べたかったんだろ?」と優しく微笑んでくれる。 「顔に書いてあったから。俺もちょうどチーズケーキ食いたかったし、1口交換な」 「っ。はいっ!ありがとうございます」 僕は嬉しくてニコニコと笑った。 先輩、すごいな。 僕がどっちにしようか迷ってたの知ってたんだ……。 ほんとにチーズケーキが食べたかったのかもしれないけど、1口くれるって……。 好きっ!!! スマートにかっこいいことをする叶翔先輩。 こんなにかっこいいんだから、ライバル多いだろうな。と思いつつ、「それでも負けない」とボソッと口に出す。 「何に勝ちたいんだ?」 「ふぁ?」 「いや、さっき"負けない"って言ってただろ」 ……! 聞こえてたのか! 僕は「いや、なんでもないです」と誤魔化すが、「教えてくれないのか?」としゅんとする先輩を見ると、なんだか申し訳なくなってくる。 うぅ、先輩ずるい。 犬の耳としっぽがぺしょって垂れ下がってるみたい…。 そんなしゅんとされたら、僕が断れない訳ない。 くっ、可愛い……。 でも、こんなこと正直に教えたら告白になってしまうのでは……!? 僕がグルグルと考えているうちに、「お待たせしました〜」と運ばれてくるパフェたち。 それを見た瞬間、僕はキラッと目を輝かせた。 「わぁー!美味しそうっ!可愛い!」 さっきの会話も忘れてはしゃぐ僕を、叶翔先輩はニコニコと見ていた。
/82ページ

最初のコメントを投稿しよう!

182人が本棚に入れています
本棚に追加