182人が本棚に入れています
本棚に追加
「うわっ、すごい……」
カフェに入ると、オシャレな雰囲気で満ち足りていた。
白とベージュをメインにつくられている店内は、気分を落ち着かせてくれるようだ。
「席どこがいい?」
先輩はこのカフェに来たことがあるようで、慣れているようだった。
「えっと、どこでも大丈夫です」
「じゃああそこでいいか」
僕が先輩について行くと、端っこにある席に着いた。
椅子に座ると、店員さんがメニューを持ってきてくれる。
「ご注意がお決まりでしたらベルでお呼び出しくださいませ」
僕はお礼を言うと、メニュー表をみた。
……!どれも美味しそう。
あ、このパフェいいな。
クマのクッキー乗ってるんだ。可愛い!
あ、でもストロベリーチーズケーキも迷うな……。
僕があれこれ迷っているうちに、先輩はもう決めたようで僕が決めるのを待っていてくれた。
悩みに悩んだ末、結局パフェを選んだ。
「決まったか?」
「はい!くまさんの乗ったパフェにします」
「飲み物は?」
「んー、ミルクティーで」
「ん、りょーかい」
叶翔先輩は店員さんを読んで、僕の分も注文してくれた。
「カフェオレ1つ、ミルクティー1つ。後ストロベリーチーズケーキとクマクマパフェを1つずつお願いします」
店員さんは「かしこまりました」というと、キッチンへオーダーをしに戻った。
先輩がストロベリーチーズケーキを頼んだことに驚いて先輩の方を見ると、「食べたかったんだろ?」と優しく微笑んでくれる。
「顔に書いてあったから。俺もちょうどチーズケーキ食いたかったし、1口交換な」
「っ。はいっ!ありがとうございます」
僕は嬉しくてニコニコと笑った。
先輩、すごいな。
僕がどっちにしようか迷ってたの知ってたんだ……。
ほんとにチーズケーキが食べたかったのかもしれないけど、1口くれるって……。
好きっ!!!
スマートにかっこいいことをする叶翔先輩。
こんなにかっこいいんだから、ライバル多いだろうな。と思いつつ、「それでも負けない」とボソッと口に出す。
「何に勝ちたいんだ?」
「ふぁ?」
「いや、さっき"負けない"って言ってただろ」
……!
聞こえてたのか!
僕は「いや、なんでもないです」と誤魔化すが、「教えてくれないのか?」としゅんとする先輩を見ると、なんだか申し訳なくなってくる。
うぅ、先輩ずるい。
犬の耳としっぽがぺしょって垂れ下がってるみたい…。
そんなしゅんとされたら、僕が断れない訳ない。
くっ、可愛い……。
でも、こんなこと正直に教えたら告白になってしまうのでは……!?
僕がグルグルと考えているうちに、「お待たせしました〜」と運ばれてくるパフェたち。
それを見た瞬間、僕はキラッと目を輝かせた。
「わぁー!美味しそうっ!可愛い!」
さっきの会話も忘れてはしゃぐ僕を、叶翔先輩はニコニコと見ていた。
最初のコメントを投稿しよう!