10人が本棚に入れています
本棚に追加
一息ついて、ハウスを見に行くと、美海と、西城も手伝いに来ていて
せっせと働いていた「美海、久しぶり!!」
「あ、聖ちゃん、またマウス病のために、頑張ってるんだって?
昨夜も、徹夜だったんでしょ、身体、大丈夫?」美海は、聖たちの事を
村人たちに聞いて、身体の心配をしてくれた。
「うん、大丈夫!!身体だけは、頑丈だから
あ、西城さんも来てくれたのね、有難う、今日は非番なのね」
聖は、西城にも、声をかける。
「ええ、美海さんに、師範からの言伝を伝えに行ったら
今から美里村に行くと言うので、一緒に来たんです」
「それで、そのまま手伝ってるって訳ね」
「マウス病、撲滅のために、私も、少しでも力になりたくて」
西城は、畝の横に、肥料を漉き込みながら、そう言い
「師範は、まだ帰れないご両親の代わりの、社長業が忙しくて
聖ちゃんに会ったら、よろしくと、言っていました」と、言う。
美海の両親は、折角カロナーが収まって、帰ろうとしていたのに
マウス病が流行った為に、まだ帰れないんだと言う。
「父は、そう言うけど、それは、ただの言い訳で、本当は兄に
このまま、社長業務をさせたいみたいなの」美海は、笑いながら言う。
私の体の秘密を知る、たった一人の人間、大翔。
その大翔の、爽やかな笑顔も、久しく見ていないな~
聖は、そう思うと、大翔に会いたくなった。
でも、今は、そんな事より、鼠の救済と、ガバラ退治が先だ
全てが終わったら、ゆっくり、会いに行こう、聖は、気持ちを切り替える。
その日の夜は、アメリカの港町を中心に、薬を撒きに行く。
アメリカの大都市は、夜でも眠る事を知らない。
そんな都市には、夜明け前の、わずかな時間に、三人揃って一気に撒く。
こうして、毎晩、感染者が多い街から、順に撒いて行った。
一方、ガバラは、気配が消せる洞窟内で作った、眠り薬を
ギグルが作った蝙蝠獣魔に持たせ、島に居る猪や鹿に食べさせ、眠らせて
自分たちが居る洞窟内に連れ込ませた。
その猪や鹿を作って、ギグルが、獣魔を作り
作った獣魔を、さらに吸い込んで、強い獣魔を十数頭、作っていた。
まだ、ギグルの身体は、本調子では無かったので、一頭作るたびに
一日ほど、休まなければならなかったが、、
「この島に居る獣は、猪と鹿しかいないからな~しかも、これで全部か。
もっと、他に、強い獣魔が欲しいが、、、」
だからと言って、他の場所まで行けば、聖たちに、感づかれてしまう。
ガバラは、考えた末に、ギグルに、一つの提案をした。
「そ、それは、無理だよ、私の身体がもたない」ギグルは、難色を示した。
最初のコメントを投稿しよう!