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夏計測不定
「夏 計測不定」
真夏は廃ビルで腰を下ろしていた
コンクリートが焼け焦げる匂いが充満して
視軸の先 延びる国道の直線は蜃気楼により屈折
真夏は煙草を燻らせる
吐き出した紫煙は飛行機雲になる
田園が土砂降る太陽光を受けて燦燦と煌めく
真夏は目が眩む
霞む視線の先 アイスクリームを片手に常夏が国道を跨いで行った
真夏はペットボトルを片手に廃ビルから這い出て行った
暑威に顔を歪ませながら真夏は国道沿いの生い茂る草花に手をやりながら蜃気楼の先を征く
あの先に半夏生と待ち合わせている
見上げればぶくぶくと太った入道がハンケチで汗を拭っていた
じきゲリラが来るから、真夏は舌打ちながら煙草を靴で潰した
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