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アネモネ
ホルテンシス パボニナ フルゲンス コロナリア
アネモネ
永久凍土より顔を出して春告げのアネモネ
裏手通りコインランドリーで芽吹いて
新宿駅東口ではライムビートの囀り
翻るスカートは春風の足取り
スクランブルで浮き足立つ雑踏を尻目に
斜向かいのライブハウスにて待ちぼうけの間抜け
さながら間抜けなるアドニス
ならば君はアフロ ディーテ
拙い詩人にありがちな 神話からの引用
春の季語にアネモネ
これまたありがちな文体の構造
結末もまた容易に 想像の範疇を超えない
せめてアネモネになれれば
間抜けなるアドニス アネモネは咲かない
憐れなるアドニス この恋も咲かない
阻むのがせめて アレスならいいのに
消沈のアドニス 駆け引きのテクニックとか そんなのはいいから
スタートラインに立つ方法 それが先ずは知りたい
永久凍土より顔を出して春告げのアネモネ
裏手通りコインランドリーで芽吹いて
春風の新宿に春待ちの間抜け
君が来ないのを知って待ちぼうけのアドニス
分からないフリして アネモネは咲かない
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