置いてけぼりのふじのはな

　残像(イマジン)は未来(みらい)に達成(たっせい)するべき目標(もくひょう)を指(さ)し示(しめ)しれくれるらしい。多(おお)くの一般(いっぱん)の子(こ)たちは大人(おとな)になるまでに百個(ひゃっこ)くらいのToDo(トゥードゥー)リストみたいなものをクリアして終(お)わりだけど、わたしたちのような“置(お)いてけぼり”は、もしかするとひとつもクリアできずに大人(おとな)になってしまうかもしれない。そもそもぼんやりとした残像(イマジン)はどういった目標(もくひょう)を示(しめ)しているかもわからない状態(じょうたい)だ。そんなことを咲(さき)ちゃんと大樹(だいき)くんに話(はな)したら、ふたりしてこんなことを言(い)った。

　三人(さんにん)の残像(イマジン)を合(あ)わせちゃって、大(おお)きな藤(ふじ)の木(き)を探(さが)しに行(い)って、みんなで大樹(たいじゅ)の歌(うた)を歌(うた)い花咲(はなさか)の舞(まい)を踊(おど)って、藤(ふじ)の花(はな)の咲(さ)き誇(ほこ)るところを描(えが)くんだって。それがわたしたち三人(さんにん)の残像(イマジン)の目標(もくひょう)。