佐野氏の足跡を辿る

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 東京駅に到着するとまず不安になるのが、迷宮のような構内である。時間通りに乗れない可能性も出てくるだろうが、その時の私は、そんな事も気にせず無我夢中だった。  中央線、中央線、その文字だけを追って、私は新幹線の改札から駆け足で矢印の指す方へ向かった。お陰で、予定より一本速い電車に乗る事が出来たのだ。  私はこう見えて本番に強い自信がある。切羽詰まったりいざとなったりすると、自分でも信じられないくらいの力が発揮されるのだ。現にセンター試験がそうだった。全く、この火事場の馬鹿力があるのなら、普段から計画的に発揮したいものだ。
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