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偶然の再会
「あ……」
それは広翔もその子も同じ反応をみせる。
同じように視線がお互いを捉え止まっていた。
蒼羽は……何も言わずただ眺めているだけであった。
「あれ……キミは」
最初に広翔が気付く。
それは広翔たちが合コンへ行く途中の裏路地で助けた……あの女の子だった。
「あーっ! あの時の!!」
その子はビックリして無意識に一歩後退る。
蒼羽はその一瞬を見逃さない。しかし、そのことに対して何も言わず、ただ静かに静観していた。
女の子はそんな蒼羽には気付かず、直ぐに「こんな所で出会えるなんて!」と笑顔を向けた。
「うわぁ、大丈夫? ホント派手にやっちゃったけど……」
広翔がしゃがみ込みノートを手に取って手渡す。
ノートを受け取った彼女は慌てて今の自分の状態を認識した。
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