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充電が終了すると、コードは独りでに首の中へ収まり、壁の穴もキレイに閉じた。と思う、と言うのが正確だが。
軽く弾みを付けて壁から離れた私は、右隣の丸扉の前まで5メートル歩き、腰に両手を当てる。
「シミュレーターと貯蔵庫との間を行き来しないで済む方法を、最初から考えて欲しかったわね。明らかに、設計ミスよ」
そう。惑星シミュレーターが予測する未来の姿を確認しながら、有機物の配合を調整するために貯蔵庫に入らないと行けないのだが、何往復するか分からないだけに、宇宙船の設計者には考えて欲しかった。
例えば、シミュレーターの部屋から遠隔で配合調整できるとか。
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