Re: a hundred times~私にしかできないこと。それは世界の創造~

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 部屋の奥の棚には、両手の上にちょうど乗る大きさで、銀色の立方体の箱が100個並んでいる。  私は、部屋の中央の台に備え付けられているコンソールの前に立って、一番右上の箱を台の上に移動するように指示する。すると、天井に取り付けられている2本のアームが、人の腕のように器用に動いて、慎重に箱を台の上へ移動する。  箱が台の上に置かれると、台の四辺に沿ってガラス板がせり上がる。奥のガラス板だけ、他の2倍の高さになったかと思うと、半分に折れて上の蓋となった。  私は、コンソールの左側の窓に左手をかざす。これによって、私が脳内に記録した惑星シミュレーターの出力――調合に関する情報――が伝達される。  膨大な情報量を転送するため、1分かかるが、調合に掛かる時間と比較すれば一瞬だ。  情報がコンソールに送り込まれると、台から4本のアームがせり上がる。  このアームが、有機物の入った箱の蓋を開けて、中の配合の調整を開始するのだ。  これに要する時間は、24時間前後。
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