病院と婚姻

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病院と婚姻

翌週の8日火曜日、予約していたクリニックへ行く2人。 検査薬の結果通り、妊娠していることが確定した。 エコーを見せていただく。 「8周目ですね。3ヶ月に入ったところ。予定日は…6月14日頃ですね。」 全部調べた通りだ。 「お父さん?」と海斗に尋ねる女性医師 「はい。」 「元気な赤ちゃんを産んで、協力し合って、子育てしましょうね。」 「はい!」 ニコやかに返事をする海斗に嬉しくなった美衣子。 きっと医師も妹のように、『若いなあ』と思ったのかもしれない。でも、もちろんそんな事には触れない。 が…海斗が自ら、「11日に入籍します!」と、なぜか結婚宣言をした。 「そう?おめでとうございます!」 「ありがとうございます。」 「では、次回、母子手帳をもらって、来てくださいね。」と… 「はい!」 美衣子は、『あ、そうだ!母子手帳は、橘美衣子になってから貰える。嬉しい!』と思った。 だから、海斗は、わざわざ医師に宣言してくれたのかもしれない。心配させないように… 帰り道 「海斗、ありがとう」 「ん?」 「ううん。」 「何?」 「ふふ、好き」 「ふふ、俺も好き」 マンションの近くだったから、手を繋いで帰った。
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