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ペア
部長から橘海斗の指導係を命じられた美衣子。
『どうして私なんだ?まあ、他の社員は皆んな忙しいから仕方がないが…私だって…。というか、ペアになって、ずっと一緒に居て私は、耐えられるのだろうか?』
そちらの方が心配だった美衣子
「橘くん、お昼から得意先へ行くわよ。」
「はい!」
2人で社用車に乗る。
「橘くん、運転免許は、持ってるの?」
「はい、持ってます。」
「そう!じゃあ、次から運転してもらおうかな〜」
「はい、イイですよ。運転は、得意です。」
「良かった〜!運転って神経使うから疲れるのよね。実は、あんまり好きじゃない。」
「あ、じゃあ代わります?」
「次、お願いするわ。」
「はい、分かりました。」
ニコニコしている橘
「ん?何?」
「いや、岸沢さんって、若くして課長昇進して凄いなぁ〜って思ってたんですけど、案外、可愛い所があるんだな〜と思って…」
「何よ!可愛いって…」
『ヤダ〜照れちゃうじゃない!』
「あ、すみません。ディスってないですよ。やっぱり、女の子なんだなぁと思って…」
「女の子っていう年齢でもないけどね。」
「おいくつですか?」
「29!ていうか、女性に年齢を聞く?」
「あ、すみません。お若く見えたから…」
「そう?今年30になる年よ!」
「えー!全然見えないですよ。すっごく若いし、可愛い〜」
「だから、可愛いって何よ…揶揄わないで!」
『だから、恥ずかしいってば〜でも嬉しい♡』
「揶揄ってないですよ。全然、そんな風に見えないです。3歳ぐらい上にしか見えない!」
「微妙〜!まぁいいか、若く見えるなら…ありがとう。」
「お世辞じゃないですよ。俺、最初から岸沢さんのこと、可愛い!って思ってましたから…」
「もう、何言ってるのよ。」
『ヤダ〜はあ〜イケメンは、リップサービスも完璧!ダメダメ、ホントに恋に落ちちゃうじゃない。』
隣りからの視線を浴びながら、運転に集中する美衣子
「ん?」
「あ、すみません。見惚れてました。」
「え!もう〜ホント冗談はやめて!」
『いや〜ん、もうホントにやめてってば〜アラサーの心を弄ばないでよね!』
「だから、冗談なんかじゃ…」
「あ、着いた!行くわよ。」
「はい!」
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