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得意先に到着。
「さあ、ココからは、お仕事モードよ!」
と、自分に喝を入れるように両頬を叩く美衣子
「はい!」と、マネをする海斗
「ふふ」
新人の海斗を紹介。
お仕事モードで、饒舌に話す美衣子。
その姿に、また海斗は、
『やっぱり素敵な人だな!』と見惚れている。
使いやすい事務用品、使用頻度の高いもの、
欲しい物、こんなのが有れば良いな〜という意見を
いただき市場調査をする。
売れ筋を探り、新しいアイデアを出していくのが仕事なので、情報を集めて帰る。
「じゃあ、次行こうか…」
「はい。運転しましょうか?」
「あ、お願いしても良い?」
「はい!お任せください。」
「助かる〜ありがとう。」と、次の得意先の住所をナビで入力し表示する。
「ココへお願い!」
「はい!」
そして、忘れないように、今、得意先で聞いたことをまとめる美衣子。
邪魔しないように黙ってナビ通りに運転する海斗。
時折、隣りで真剣にタブレットに打ち込んでいる美衣子をチラッと見る。
『真面目に仕事してる姿も素敵だ!』と、口元が緩む。
「ハア〜良し!」
「入力できましたか?」
「うん。忘れないようにすぐに打ち込まないとね。」
「そうですね。忘れちゃいますよね?」
会話をしながら入力したつもりだが、やはり抜けている部分もあるので、覚えているうちに…
「そうなのよ。最近、特に物忘れが酷くて…」
「え?まだまだ、そんな年齢じゃないですよ。」
「そうなんだけど、忙しいと自分で何をしてるのか?分からなくなるのよ。」
「なるほど、忙しいから…残業は、多いんですか?」
「いや、自分で調整出来れば、そんなには…」
「そうなんですね。」
「やっぱり、今どきの子は、残業イヤ?」
「まあ、そりゃあ業務時間内に収まれば有り難いですけど…仕事ですから仕方ないですよね?」
「おお、模範解答だね。」
そして、次の得意先へ行った。
同じように、もう1社行って…計3社回った。
「じゃあ、帰ろうか!」
「はい!」
「あ、会社は、ナビの自宅に入れてるから…」
「はい。」
海斗は、美衣子がタブレットに、入力するのを待つ。
「良し!OK!」
「お疲れ様です。」
「お疲れ〜!」
「会社に到着するまで、質問しても良いですか?」
「うん、良いよ。」
「岸沢さん!彼氏居るんですか?」
「え?」
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