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心中ごっこ
困ったことに、私の大好きな親友は死にたがりだ。
ふたりきりの時、すぐに死ぬ話ばかりする。
あんまり未来とかにも希望もとうとしないし、自分の身体も大事にしないし、今だけを生きてる感がすごい。
日々、その白い肌に刻まれる自傷の痕はたえず、瘡蓋になりかけた上から次々に新しい傷痕が沸く。
私が何を言ってもその時だけの慰めにしかならない。
「死にたいなあ」
まあ別に本当に本気で死のうとするわけじゃないし、だって電車に飛び込んだりしないわけだし、お腹が極限まですいたら適当に何か食べるわけだし、ただ頭にパッと思い浮かんだ時に、思わずそれが口をついてしまっている、と言うだけなのだとは思うけれど。
「どうしてそんなに死にたいわけ?」 と聞けば、「寒いから」だとか「眠いから」だとか。
今日は 「思春期」 だって。
「へー」
親友の思春期って、いつ終わんの?
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