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〜プロローグ〜
星が綺麗に瞬く深夜1時。焚き火の音以外、何も聞こえない。それくらい、静かな夜。
ふぅ、と息を吐く。吐いた息は白く、そのまま消えた。
2月の冬の星空は、空気が澄んでいて心地よい。焚き火を消して、テントに戻って寝袋に入る。隣で寝ている、アルフレッドくんの手を握ってみた。彼は気持ちよさそうにすやすやと眠っている。
『星が好きなら、一緒に見に行こう!』って言って、キャンプすることになったはずなのに、どうして先に寝ちゃったかな…。でも、溜め息は出ない。彼の天邪鬼さが、彼自身の魅力を引きたてているからだ。
イヴァンがそう思ったその時、もぞもぞと寝袋が動いて、アルフレッドくんが目を覚ました。
「あ、ごめんね。起こしちゃった?」
「いや、目が覚めただけ!
俺、星見てくるよ。イヴァンはどうする?」
「僕はここにいるよ」
そう言うと、彼は頷いてそのままスタスタと外へ出た。
まさか、苦手だと思ってたアルフレッドくんと友達同士になるなんて思ってなかったよ…。
自分でもびっくりしながら、それでも彼と過ごす時間は楽しいと感じていた。
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