2帰宅途中の会話

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「……それじゃ笑顔でいたら、もっとアルフレッドくんと仲良くなれたりするのかな?」 何気(なにげ)もなく、そんなことを彼に言ってみた。 彼がどんな表情をするのか、見てみたくなったからだ。 アルフレッドくんを見る。彼は、ぽかんとした顔で僕を見ていた。 その後、右手を顎に当てて、しばらく思いに耽けっていたが、やがて手を下ろして言った。 「……イヴァン。それってつまり、俺と友達になってくれるってこと!?」 彼は頬を紅潮させ、目を輝かせて聞いてきた。 ちょっと、面食らった。 「え、と…。僕は、アルフレッドくんがどういう表情(かお)するかなって思って聞いただけだよ」 まさか、そう来たか…。彼と友達になりたいなんて、僕はこれっぽっちも思ってないのに!! ちらっと、隣を歩くアルフレッドくんを見る。 落ち込んでいるかと思ったけれど、彼は何ともなさそうだった。 どうやら、僕が思ったことと彼が考えていることは逆だったらしい。 彼の目は、丸く弧を描いていた。 「なんか、嬉しそうだね?どうしたの?」 僕は彼に訊ねた。 「俺がどんな表情(かお)するか見て見たかったってことは、俺に少なからず興味があるってことだろ?それが嬉しいんだよ! 話しかけてもいい反応返ってこないことが多かったから、イヴァンって、俺に興味ないのかなってちょっとしょげてたんだよね」 彼は、一気にまくしたてた。それくらい、僕の一言に元気が出たのだろう。 彼の無邪気さに、僕はふふっと笑った。 アルフレッドくんは僕と同じ大学生だけど、ちょっと子どもみたいで面白い。いや、違う。………一緒にいて楽しい。 そう思った。……彼と友達になってみたいな。 なってみてもいいかもしれない。 何か、面白いことがたくさんあって楽しめそう。 僕は、彼の名前を呼んだ。 「ねぇ、アルフレッドくん。」 「どうしたんだ?イヴァン?」 彼が僕を見る。 「僕と、友達になってくれる?」 僕はアルフレッドくんに穏やかに微笑んだ。 彼は、暫く目を丸くしていたが、僕が言ったことを理解したのか、さっきと同じく朗らかに笑った。 「もちろん!!!やった〜!!とっても嬉しいよ!」 アルフレッドくんは、ガッツポーズをする。 それを見て、僕も気持ちが上がるのを感じた。 「ふふっ、僕も嬉しいなぁ〜。これからよろしくね、アルフレッドくん。」 「俺からも、よろしくな!イヴァン!」 2人で握手して、彼と友達になったことがしっかりと理解できた。
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