2帰宅途中の会話

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他愛ない会話をしながら、彼と歩く。 好きな物は何か、という話題になり、僕は「星が好き」と答えた。 星は何万光年という考えられないほど遠く、遥か昔に放った光が地球に届いている、と聞いた。 それを聞いて、僕は何て素敵なんだろうと思った。その日から、夜になると外へ出て星を眺めるようになった。 僕が一番好きな季節の星空は、冬だった。とても寒いけど、空気が澄んでいて星が見えやすい。 明かりが少ない場所に行けば、より一層美しく煌めいているのが(わか)る。 アルフレッドくんも星が好きらしく、目を輝かせて何度も頷いていた。 「そうだ!イヴァン。お互い星が好きなら、見に行こうよ!!」 彼が突然そう言った。 「良いけど、いつ行くの?」 「君が今言った、冬にしよう!どうかな?」 「良いと思う。僕、冬の星空が1年で一番好きだから!」 「よし、決まったね!それじゃ、あとはプラン立てるか!」 彼は(なお)もにこにこと笑っている。 とても楽しみらしい。 そのあと、彼と共に山梨県の高原にあるキャンプ場に予約した。時期は2月上旬にしてもらった。 「星見るの楽しみだな、イヴァン!」 「そうだね!」 予約が完了した、という連絡を受けたあと僕達は顔を見合わせて笑った。
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