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「課長っ、……待って下さい」
「待てないよ。ハジメテもらった日から、ずっとお預けだったんだから」
俺の自宅についた途端、抱きかかえて強引にベッドへ運び押し倒す。
ネクタイを緩めながら笑う俺に、しおりは少し狼狽えているようだった。
それでも、申し訳ないけど今夜だけは止められない。
「この間のお仕置きもしないと。別れるなんて言ったこと、まだ許してないから」
「ご、ごめんなさい」
涙目で俺を見上げる彼女に、乱暴にキスを落とした。
久しぶりの甘さをたっぷり味わってから微笑む。
「嘘だよ。ごめん。でも抱きたい」
どこもかしこも真っ赤に染まった肌を堪能しながら服を剥ぎ取っていくと、しおりらしからぬ大胆なレースの下着が顔を出した。
「……しおりだって期待してたんじゃないの?こんな可愛いの着てくれて」
意地悪に顔を覗き込んだ瞬間、しおりは両手で顔を覆い呟いた。
「ごめんなさい……」
「しおり?」
「……ごめんなさい。期待してました」
「……………………」
あー、もう。
今ので理性飛んだ。
「悪いけど今日は寝れないかもしれないから。覚悟して」
ご褒美でしかないこれからの未来にほくそ笑みながら、指輪の光る可愛い指を離さないように、強く握りしめた。
【おしまい】
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