再会愛。エリート小児科医と5年越しの甘い夜

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そう自分に言い聞かせ、俺は約一カ月に及ぶ小児科での研修に没頭した。 まともに食事できないほど忙しい日々が続いたが、同じ空間に朱莉がいれば、不思議と疲れを感じなかった。 「隈すごいことになってるけど、大丈夫?」 「ありがと。朱莉もだけど」 「!?」 頻繁ではないが、バレないよう小声のやり取りも楽しかった。 彼女の真面目な仕事ぶりも、子供に向ける優しい笑顔も全部小児科(ここ)に来て初めて見ることができたし、俺は俺で小児科の仕事が性に合っていたのか、子供に好かれることが多かった。回ってきた科の中で一番、明るい気持ちで過ごせたのは事実だった。 『はーい、みなさん! 今日は子供の日です。パンダのパン男君が遊びに来てくれましたよぉ』 「わーい」 研修終了間近、朝カンファレンスを終え小児科の廊下を歩いていると、遊戯室からマイクの声が聞こえてきた。 看護師一人と着ぐるみパンダが、集まった子供たちに画用紙で作った(かぶと)と折り紙で作った花束を渡している。 (朱莉か……この前着ぐるみになるって言ってたけど、まさかパン男になっているとは) オーバーリアクションの彼女を眺めながら笑っていると、パン男のつぶらな瞳と目が合う。やば……と思った時にはすでに手遅れで、こちらに向かって手招きしてきた。 「(隼人、いいところにいた! ちょっとこっちきて!)」 「……はい」
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