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二
つい先日まで、国王アウレリアは持病をこじらせ、日夜続く高熱に苛まれていた。
しかし慣れたもので、今回もとりあえず症状が治まると、涼しい顔ですぐさま公務に復帰してしまった。
溜まった仕事こそ片付いたが、アウレリアには懸念事項が残った。まだ十七歳という若さなのに、半月以上も寝てばかりで過ごしたため、老婆より疲れやすいのではないかというほど体力が落ちてしまったのだ。
そこで彼女は、親しいゼキ将軍を呼んで提案するに至る。「森へ狩りに出かけよう」と。
今回の狩りは国王の希望で、何百人もの兵士を動員した大仰な形ではなく、ごく少人数の供だけが随従するものとなった。
顔ぶれはゼキ将軍と、彼の軍に連なるブリッツ将軍、ミカリー副軍監。そして国王の親衛隊、すべて女性のレナーテ、サブリナ、マヌーである。
アウレリアの闘病中、国境線への遠征を務めた武官たちと、国王の寝所を守り続けた女兵士たちを選んで集めたのは、やはり慰労の意味もある。
狩りを終えて王宮に戻ったら、皆で新鮮な獣肉料理を楽しむ予定だ。獣肉自体が高級食材とされているし、しかもそれを神々しいまでに美しいアウレリア王と語らいながらとなれば、誰もが羨む食事会となるだろう。――アウレリアには厄介な弱点があるため、なるべく全員から離れて座らなければならないのだが。
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