報いとお礼

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 半分骨になっているのに、すごく重くて、すごく冷たいの。  ねえ、パパとママに言って。  追い出してもらわなくちゃ、ねえ早く、早く。  権藤と同様に、霧島もすっかりやつれてしまい、パパ、ママと両親へ呼びかけながらベッド潜り込んで怯えているという。食事もぜんぶ、あいつと赤ん坊が食べてしまうからと、手付かずのプレートを空っぽだと言い張って聞かないらしい。 「そっちに行った、ってことか」  どちらにしろ、私は怪談書きであるけれども祓ったり、楽にしてやれる方法はおろか、そんなチカラは持ち合わせていない。持っているとしても、あいつらには使いたくないし、使う気もない。  スリープモードにしていたパソコンを再起動させ、私は文机の前であぐらをかき、ワード画面が立ち上がるのを待つ。  ピンク色で、太字のゴシック体で打ち込まれたメッセージに私は思わず、ふふっと吹き出した。 「アリガトウ」    どういたしまして、と呟いてキーボードを叩く。  外では蝉が鳴き出し、暑さをいっそう濃いものにさせていた。  
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