ひとつ花、咲く時君と僕の恋という名の花が咲く

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僕は中学一年生。1年1組の正野俊(まさのしゅん)。 「あ、俊くーん!」 この僕の名前を呼ぶ女の子の名前は甘川千里(あめかわちさと)。僕の好きな人だ。僕が彼女を好きになったきっかけは7年前にある。僕と彼女が4歳の頃、僕は幼稚園に転換してきたばかりで、おまけにあまり目立たない性格だったため、僕には友達ができずにいつも一人でいた。 「俊くん、他の子たちと遊んでみないの?」 と先生が。そんな先生に僕は相槌をかける。 「・・でも僕みたいなこと遊びたい人なんていないし」 「・・・」 「じゃあ、私と遊ぼうよ!」 突然、女の子が僕と遊んでくれると言い出したのだ。しかも『遊んであげる』ではなく『遊ぼうよ』と言ってくれたのだ。僕はあまりにも嬉しかった。だけどその傍ら不信感も抱いていた。僕はそれをうっかり口にしてしまったんだ。 「本当は仕方なく僕と遊ぶんでしょ。どうせ僕と遊びたい人なんていないんだから。」と今考えたらとてつもなくダサいこと言ったなって思う。でも、彼女はこんな僕のネガティブな発言に対して明るく答える。 「なんで?私はね今俊くんと遊びたいから遊ぶんだよ!あと俊くんと遊びたいって思ってる人いっぱいいるかもしれないじゃん!」 笑顔でそれも僕を勇気付けるかのように言われると急に泣き出して本音を泣き散らした。 「う、うわぁぁぁん。本当は、本当は僕だってみんなと遊びたいんだー。」僕がそういうと千里はクラスのみんなを連れてきた。 「え?。」と僕がいう。するとクラスの子たちが 「俊だったよな。ほ、本当は俺たちも遊んでみたかったんだけどさ、俺たちも勇気が出なくて遊びに誘えなかった。ごめん。だ、だからさ今からみんなで遊ばないか?」 「え?い、いいの?」 「当たり前だろ!」 「ありがとう!」 この時僕と誘ってくれた子みんな満面の笑みを浮かべた。 「あ、千里ありがとうな。俺らが俊と遊べる雰囲気作ってくれて。」 「ぼ、僕からもありがとう。」 「ふふ(^^)どういたしまして。」 僕は千里がいたから幼稚園時代楽しく過ごすことができたんだ。千里がいたから今の友達もいるんだ。僕が楽しくできているのは全部千里のおかげだ。そう思ったのは5歳の時だ。この時から僕は千里のことが好きになった。 「俊くん。おーーい俊くーんきいてるー?」 「あぁ。ごめん聞いてなかった。ちょっと考え事してて。それで、何を言ってたの?」 「んもぉー。ちゃんと聞いておいてよね!私が言ったのは、今日の放課後一緒に帰ろうっていうこと。いい?」 「あ、うん。もちろん!」 〜放課後〜 僕と千里は桜の並木道を通っていた。季節は丁度春だが、まだまだつぼみが一つ二つくらいしかついていない。僕はふと思ったことを千里に言った。 「ひとつ花。咲くのはまだかな。」 「ひとつ花?」 「この木のことだよ。この前テレビでやってたんだ。」 「へ〜。」 「ね、ねぇまたさ桜が満開になった時にさここの道一緒に通ろうね。」 「うん。いいよ!」 「じゃあまたね〜」 「うん。バイバイ。」 「あ、ちょっと待って!」 「ん?なに?」 「千里、ひとつ花咲いたらさ僕にも咲かせたいものがあるんだ。だから、ひとつ花、咲いたらさ、それを聞いてね。」 「?う、うん」 「じゃっ」 「うん。バイバイ」 家に帰ってから僕は花早く咲かないかなと花が咲くのを待ち望んでいる。 〜次の日〜 「しゅ、俊くん〜消しゴム無くした〜。消しゴム貸して〜。」 「あ、いいよ。僕消しゴムたくさん持ってるからひとつあげる。小さいけど。はい、どうぞ!」 「あ、ありがとう〜」 「全部しっかり使ってね。」 「?うん。」 〜数日後〜(桜が満開に!) 「ん?消しゴムの中に何か紙が・・なんて書いてあるかな。」 『千里へ この紙を見てるってことは僕の消しゴムしっかり使ってくれたってことだね。ありがとう。そろそろ前一緒に帰った桜の並木道の花が咲くと思うんだよね。だからさ、今日、一緒に帰ろう! 俊より』 「え、これは返事しに行ったほうがいいかな。」 「俊くーん」 「あ、千里。どうした?」 「この紙が消しゴムから出てきたんだ。だから今日一緒に帰ろ!」 「ちゃんと使ってくれてたんだね。ありがとう!」 そして放課後僕たちはあの桜の並木道までやってきた。僕の想いを伝える時が来たんだ。 「ち、千里。」 「ん?なに?」 「桜、綺麗に咲いたね。僕はこの桜みたいに綺麗に咲かせたいものがあるんだ。」 「何?」 「そ、それは、君との恋だ。」 「え?」 「僕は、幼稚園児の頃から君に恋をしていたんだ小学生の頃も今も千里だけを追ってきた。7年間近くずっと君を想い続けてきたんだ。ずっと、桜の咲く季節に恋を咲かせたいと思っていたんだ。千里、僕と付き合ってください!そして僕との花を咲かせてください!」 「う、うん。」千里は泣きながら言った 「ねぇ」 僕は急に彼女に近づく。 そして、 「千里、大好きだよ。」 僕は千里の顔に自分の顔を近づける。そして千里の甘い唇に僕の唇を重ねた。 「||||」 こうして僕は千里との恋に見事に花を咲かせたのだ。そして、これからもずっとこの恋という名の花が枯れることはなくいつまでも綺麗に保つんだ。この、花を。
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