【第十二話】二人のはじめて

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「も……だめ、直接さわって……」  真琴が懇願すると、ショーツ越しに動いていた手がその中に侵入してきた。  その指が妙に滑りが良いので、もう十分なほど愛液が溢れ出してしまっているのが自分でもわかってしまった。 「すごい濡れてるよ」 「だって、奏が……」 「真琴、可愛いね……」  真琴の秘部をさわるその指は、さらにその中に侵入しようとすると、 「も、大丈夫……、だから……はやく、挿れてほしい……っ」  真琴は上目遣いで相手を見つめながら、その股間をさすった。  硬く兆したものがそこに存在していて、嬉しくなった。  自分だけじゃなくて、奏も興奮してくれている。  いきなり触られたことに驚いたのか、奏の体がぴくりと跳ねた。  奏は一瞬だけ余裕なさげな表情を見せたが、またすぐに余裕の笑みを浮かべた。  その一瞬を真琴は見逃さなかったし、愛おしく感じた。  奏は先程枕元に置いていた何かを取り出し、ボトムスを下ろして、それをスムーズに装着した。  そのまま真琴のパジャマも脱がせて、その体に再び覆いかぶさった。 「良いんだよね……?」 「うん……」  奏の陰茎の先端が、真琴の膣口にぴったりと吸い付くと、ぐぐぐ、とゆっくりその中に押し込められていく。 「ん……ぁああっ♡」  焦らすように数秒かけて押し込められると、ついに真琴の中に奏のモノが全ておさまった。  奏の表情を確認したいのに、わざと顔を遠く離しているのか、暗くて読み取れない。  必死に顔を見ようとしていると、奏の腰が再び動きだし、リズム良くピストン運動を始めた。 「んっ、あっあっ♡ んっ♡」  そのリズムに合わせて快感が押し寄せ、甘い声が溢れて出てしまう。  動きに合わせて、ずちゅずちゅという水音と、周りの布が擦れる音、そして二人の甘い吐息だけが室内に響いている。  その情景がいやらしすぎて、より昂ってしまう。  奏の呼吸も荒くなっており、その腰の動きが止むことがない。
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