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「じゃあ一緒に寝て欲しい」
「良いけど、その前に薬飲んで。ほら、ここにあるから」
「わかった」
奏は大人しくゼリーと薬を同時に含み、また横になった。
真琴ももぞもぞと布団の中に潜り込む。
「僕は真琴と一緒にいるのが一番健康に良いから」
「奏……」
「真琴が名前を呼んでくれる度に、自分はこの世界にいて良いんだと再確認できる」
「大袈裟すぎる……」
体が弱ると心も弱るとはよく聞く。
奏もそうなのだろうか。
いつもより自信がないような気がする。
「真琴が目の前からいなくなることが一番怖い。耐えられない」
奏は横にいる真琴の頬にそっと手を重ねた。
その手の体温は高く、まだ熱が下がりきっていないことを感じ取る。
そんな心配は必要ないのに、と真琴は心の中で呟く。
それをあえて言葉にはせず、そのまま顔を近づけ、二人はキスをした。
真琴の方から舌を差し出すと、奏も応えるように舌を絡ませる。
二人から溢れ出る水音を聞いていると、真琴の体まで熱があるように火照った感覚に陥る。
唇を離し、お互い荒くなった呼吸を整える。
「さっきまであんなに風邪がうつるって言ってたのに、どういう心境の変化?」
「うるさい!」
真っ赤になって憤慨する真琴を両腕で包み込み、ぴったりと引き寄せる。
抱き枕のようにその腕の中に収めると、
「これが一番幸せ」
と、奏は呟いた。
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