【第二話】君は勝手ばかり

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 翌日になって、真琴は本日の洋服を考えていたが、そういえばどこに行くのかを確認していなかった。  場所によってコーディネートを考えなければ……そう思い、真琴は部屋から顔だけ出して、リビングにいる奏に話かける。 「ねぇ、今日ってどこ行くの?」 「秘密。でもそんなに凝った格好しない方がいいよ。どちらかというと気楽な方が良いかも」 「ふぅん……?」  真琴の顔は部屋の中に引っ込んだ。そしてそのアドバイス通りに本日のコーディネートを考える。  キレイめな印象だが、柔らかい生地でナチュラルなピンクベージュのワンピースに厚手のカーディガンを羽織り、シンプルながらも女性らしいシルエットの洋服をチョイスした。  凝らなくても良いとは言われたものの、少しでも可愛くして出かけたいと思う女心は真琴にもあった。  そして、昼頃になると二人は一緒に街へ出かけてゆく。  今時のオシャレなカフェレストランで昼食を済まし、奏に言われるまま後について行く。  そして辿り着いた先は猫モチーフのポップで可愛らしい装飾がついた看板が出ているお店だった。  看板には「猫カフェ petit chaton」と書いてあるのを見つけた途端、真琴は目を輝かせながら奏の方を見る。 「もしかして、ここ!?」  真琴は大の動物好きで、特に猫や兎などの小動物には目がなかった。  動物を飼った経験がなかったため、動物への憧れが人一倍強かった。  子供のような天真爛漫な表情を浮かべており、そこには昨日の不機嫌はもう跡形も残っていなかった。 「真琴、昔から猫とか好きだったでしょ」 「うん! ね、早く入ろ」  真琴は待ちきれない様子で奏を引っ張って店内に入る。  受付を済まし、周りを見渡すとどこを見ても子猫が点在していた。  いろんな品種の子猫に思わず頬がゆるむ。  それからしばらくは猫を眺め、猫と戯れる時間を過ごした。  真琴は猫に夢中で、この時ばかりはいつもの強気な様子はなく、終始とろけるような甘い笑顔を見せていた。 「ねぇ、この子本当に可愛い」  白く毛の長い品種の子猫を膝に乗せ、喉元を優しく撫でながら、奏に話しかける。 「そうだね、いつか一緒に飼えたらいいね」  その言葉は自然に流れるように、するりと発せられた。  あまりに大胆に、これから先も一緒に暮らすことが決まっているかのように話すので真琴は少し面食らった。
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