【第六話】あなたのことが知りたい

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 ピピピピ、と鳴る電子音で奏は目を覚ます。  時刻は朝の六時。いつも通りの時刻だ。昨日晶に会ったせいか、珍しく昔のことを夢に見ていた気がする。  洗面台で顔を洗うと、キッチンに移り、コーヒーを淹れて朝食の準備をする。  ふと時計を見るともうすぐ六時半になる頃だった。  そろそろ彼女が起きてくるだろう。リビングのカーテンを明け、窓の外を見ると、一晩中降っていた激しい雨は止んで、梅雨の季節には珍しく、晴れやかな空を見ることができた。 「おはよう……何してるの?」  起きてきたばかりの真琴は目を擦りながら奏の隣に立つと、一緒に外の景色を見上げた。 「今日は天気良さそうね。……あ、見て! 虹が出てる!」  真琴が指差す方にうっすらと虹が架かっていた。  真琴が奏の方に視線を向けると、ニコニコと機嫌良さそうに微笑んでいた。 「なに? 朝からニヤニヤしちゃって」 「懐かしいなと思っただけ」 「?」 「ううん、何も。さあ、朝食にしよっか」 「うん」  キッチンに並ぶ朝食に手をつけると、二人はまた何気ない日常をいつも通りに過ごすのであった。 【第六話 終わり】
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