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「ん、ぁ……っはぁっ」
「こんな姿で人前に出るなんて……」
奏は繊細な指でショーツのラインの縁をなぞっていく。
際どい場所に触れるその指に体がぴくりと反応してしまう。
「あ……っ、ね、ねえ……っ、今日、なんか、変だよ……!」
真琴の言葉に奏は動きを止め、真琴の目をじっと見つめた。
わずかな光から見える奏はギラついた瞳をして、口角を少し上げているように見えた。
「今日は気が立っているんだ」
先程まで水着をなぞっていたその手は真琴の顎をくいと持ち上げると、その唇に強引にキスをして、舌を執拗に絡めた。
まともな呼吸をさせてくれず、喘ぐように息が漏れる。
ようやく唇が離れると、奏は静かな声で淡々と話す。
「約束して。絶対に一人にならないこと。あと写真を僕に送って」
「……」
真琴はぱちくりと瞬きをしながら固まったままだった。
「じゃないと……、見える所に〝しるし〟付けちゃうよ。嫌でしょ?」
「わかったから……」
真琴は戸惑いながらも肯定すると、奏は徐ろにネクタイを外し、ベルトを緩めて、カッターシャツを脱ぎ出した。
「な、何してるの!?」
「真琴の肌に直接触れたい」
「!?」
「真琴も僕の体温に触れて。ほら、こんなに熱いんだよ」
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