Guidance②

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Guidance②

 どなたか質問のある方? ――はい、どうぞ。  危険性、ですか。えぇ、確かに皆様には知る権利があります。お話ししましょう。  そうですね、例えば心臓や脳を貸し出すとなると、今の技術では昏睡状態におくのが限界です。死亡例もわずかながらございます。稀に、それら器官の返却がなされない場合もございますし。  しかし、以前と比較するとそれらの貸し出しも随分安全に行われるようになりました。ご安心ください。  それから、個体貸し出しが数年に一度発生しております。  hoproviderは基本的に人間ではなく部品として貸し出されますので、個体で貸し出される場合も道具として利用されることがほとんどです。  器官のみを貸し出す場合とは異なり、こちらで延命処置を行うことができませんので、少々危険度も高くなります。個体を貸し出した場合の死亡率は40%とも報告されております。  ――あぁ、大丈夫ですよ。先ほどお話しした通り、個体の貸し出しはほとんど行われません。どうしても高価になりますので、利用人数はごく限られているのです。
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