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私が住んでいた土地、小さな港町の沖には女人禁制と言われる島がありました。
サッカーコート半分くらいの大きさの島で、島の中には小さな祠があると言います。
そこが何故女人禁制なのかは私にはわかりません。
昔からそうだったし、小さな町の人は、みなそれを守っていました。
ところが他県から嫁いできた女が、今時女人禁制なんてありえない、と騒ぎ出しました。
夫も女の義父も、その他の男たちまでもがたしなめましたが、女はへらへら笑っているばかりです。
そしてある日、義父の釣り船を勝手に借りて、その島に上陸してしまったそうです。
夫も義父もその他の男たちもたいそう怒りましたが、やはり本人はへらへらし、そればかりではなく、島に上陸したことをまるで武勇伝のように自ら周りに広めました。
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