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潜む闇
そのメールを受け取ってから数分後、“あの場所”と言われたところに行くと案の定鍵は……
だがそれは外れドアノブが大きく回った。
(開いてる?)
不安と疑惑を心に占めながら、ゆっくりと開けてみると隙間から煙草の独特な臭いが鼻に来た。
「俺以外に誰か来てるのか?」と小さく呟きながら静かに入っていくと、そこにはいつもの大空が広がっていた。
しかし、そこにはヤニ臭い残り香だけで人の気配は全くなかった。
敵がいないことを知って幾ばくか心が晴れていくような感じがした。
それでも微量に残った疑念だけは後の事を考え、落ちているはずの煙草を探した。
そして、辺りを探してようやく見つけたその場所は表は昇降口や校門が見える場所だった。
反対はグラウンドが見える場所だった。
『これは面白いことになりそうだな』と黒い笑みを浮かべながら喋るのは自分の心の闇、黒焔だった。
『お前のルールに入ってれば良いな』
それだけ言ってから彼は心の奥底に引っ込んだ。
彼が残した言葉を脳内の奥に閉まってから、弁当を側に置いてからポケットに入っているハンカチを取り出し、自分の指紋がつかないように慎重にそれを掴み潰れないようにソッと包んでまたポケットに閉まった。
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