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元親友
金曜日の夕方、職場を出た所でオンナに呼び止められた。
「はい。コレ。」
そう言って渡されたのは結婚パーティーの招待状だった。
「はっ?なにコレ?冗談でしょ?」
そう言って招待状を突き返した私の顔は作り笑顔がピクピクとひきつり恐ろしい顔だったに違いない。
──招待状を渡してきたオンナは二か月前まで親友であった美華だ。
「よく普通に招待できるわね。」
百パーセントの嫌みと不満を込めて言ったつもりだったが
「やだぁ、恐い顔しちゃって。仕方ないじゃない。彼がアナタじゃなく私を選んだんだもの……。」
「・ ・ ・」
全く悪びれた様子もなくシャアシャアと言い返され二万パーセントのダメージをくらった。
「ま、気が向いたら来てよね。親友なんだし。」
ぐうの音も出ずただ立ち尽くす私の手に無理やり招待状を握らせて美華はバイバイと手を振りながら去って行った。
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