霊媒師 夕霧 弥生 第一章 椿

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「三島さんに浄化、浄霊が終わったと 知らせなきゃ」 ドアを開けると、二人揃って立っていた 「無事に終わりましたよ」 二人は部屋に入って驚きを隠せない様子だった 台風の後の様に、本や家具が飛び散らかっていた 「先生、凄い音が聞こえましたが いったい何があったんですか?」 「あのネックレスは、悪霊が取り憑いていたんです 無事に浄化、浄霊をしました ネックレスは被害者の持ち主にに返しました もう、大丈夫ですよ」 「悪霊ですって!椿はどうなったんですか?」 「ここにいらっしゃいますよ」 「えっ何処に?椿は何処に?」 「お二人の前に立っています 手を出してあげてください、感じるかも知れません」 二人は手を出してみた 「椿さんがお二人の手を握っています 何か感じますか?」 「分かりません 、椿何処なの?」 「大きく深呼吸して、椿さんを思い描いてみて ください」 言われるまま、大きく深呼吸して椿を感じる為に 目を閉じた 暫くすると、微かに触れている様に感じた様だ 「椿、椿なのね、本当にここに居るのね?」 「私も感じます先生、椿を感じます」 三島夫婦は、涙を流していた 「椿さんがごめんなさいと言っています」 「椿、ママこそ何も知らずに、ごめんなさいね 話して欲しかったけど、何故1人で悩んでたの? でも、そんな事はもういいの 今ここに居るだけでいいのよ 抱き締めたいけど.....」 「お母さんの胸に抱きついて泣いています」 「えっ感じるわ!あぁ私の可愛い娘、椿なのね」 抱きしめる様にすると感じとれた 「椿、父親らしい事出来ずにすまなかった 椿、許してくれ」 「パパが大好きだと言っていますよ」 「あぁ椿ありがとう パパも椿を心から愛しているよ もっと早く言うべきだった、椿すまない」 「行くべき場所に行かねばなりません お迎えが来ましたから」 「最後にパパとママに甘えられて嬉しいと お別れするけど、忘れないよと言っています」 「あぁ〜椿パパもママも忘れないわ 行ってしまうのね」 「椿......」 《やっぱりあなたが救ってくれたのね 夢で会った時、あなたが来ると信じて 待っていました 夕霧弥生さん、本当にありがとうございました》 「それで微笑んでいたのね、いいのよ 苦しかったね、もう大丈夫よ椿さん さようなら..... 光に導かれ逝かれました」 母親は夫の胸にしがみついて、泣いている 私は暫く黙って、涙を流しながら見ていた これからも私は、こうして生きて行くのだと 強く心に誓った 何が有ろうと一人でも多くの霊魂を 苦しみから救ってあげたい そう、私は霊能師 夕霧弥生なのだから....... 第一章 椿 ー完ー
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