霊媒師 夕霧 弥生 第一章 椿

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普通に家を出て、途中でスーパーのトイレで 変装をした 練習の成果が発揮する時が来たのだ 誰も居ないトイレの個室でゴソゴソし トイレの鏡の前で、自分の姿を見た 「完璧、リンどう?」 リンがピカピカッと光った 「完璧って事ねありがとう、リン」 着て来た服と靴はリュックに詰め込み 大きなトートバックに詰め込んだ 「さあ本番よ、リン」 リンが光った 馴れないピンヒールが、歩きにくいのが難点だった 「誰がこんな歩きにくい、ピンヒール作ったのよ 筋肉痛になりそうだよ」 タクシーに乗り、椿の家に向かった 三島宅は洋館建てで、オシャレな家だ ドアーホンを緊張しながら押した 「あのぅ、突然すみません、実は椿さんの事で お話がありまして伺いました 夕霧弥生と申します、後藤さんから....」 「後藤刑事さんの事ですか? もしかして、絵を描いてくださった方ですか?」 「そうです」 自動で門扉が開く、玄関迄少し歩くと椿の母親が 待っていた 「ようこそ、いらっしゃいました お待ちしておりました椿の母です その節はありがとうございました」 「いえ、大した事はしていません 初めまして夕霧弥生です、よろしく」 「お会いしたかったんですよ どうぞお上がりになって」 挨拶を済ませ、部屋に通された 立派な玄関には、高そうな置き物や絵が飾られて 部屋は広いリビングで、全てがセンスのいい家具で 高級感満載だ ソファーもフカフカで、私は緊張していた コーヒーとケーキが出された 当然お手伝いさんが、用意していたのは 言うまでも無い コーヒーを飲みながら、椿の父親が口火を切った 「夕霧弥生さん、本当に何か分かるんですか? 私は信じて無いんですよ、インチキだと思うんで そんな嘘の様な事がある訳無いとね」 「お気持ちは分かります でも、椿さんと会ったのは事実です 椿さんのお部屋を拝見したいんですが、その前に 椿さんにお線香をあげたいんですけど」 「ありがとうございます、夕霧先生」 「せ、先生って.....」 私が先生として見られていると、改めてプロの プライドにかけて、見つけてやると心に誓った 椿の仏間に案内された 部屋に入ると息苦しさを感じた 椿の慰霊写真を見て、夢に出て来た子だった 手を合わせ椿に、心の中で話しかけた (リンこの臭いは何?椿さんに何があったの? 椿さん答えてくれない?) 椿は答え無かった (何かおかしい......リン感じるネックレスだ!) 「このネックレスは椿さんの物ですね?」 「はい、何処で買ったのか分かりませんが とても気にいっていて、ずっと付けていました これが何か?棺に入れてやるか悩みました でも、思い出に置いてあるんですけど.....」 (リン、これってかなり怨念を感じるよね 普通のネックレスでは無い 何処で手に入れたんだろう? 今は触らずに部屋を見てみよう) リンが光った 他人には指輪は見えない様だ 「椿さんのお部屋を、拝見してもいいですか?」 「どうぞ二階です」 椿の部屋に入ると息苦しく肩が重い (うっ!この臭い何? ネックレスと同じ臭いがする) 広い部屋にベットや勉強机がある 学生とは思えない程、贅沢な部屋だ 私は大きく深呼吸して目を閉じ、集中した リンが私の手をかざさせた 「机の中に、ピンクの日記帳ありました?」 「えっ!先生、何故日記の事をご存知なんですか? 椿の机の引き出しに入っています でも、何も書いてありませんでしたけど」 「見てもいいですか?」 「どうぞ、気がかりな所をご自由に見てください」 「この日記帳は破かれてますね、何故?」 「さあ分かりませんが、気に要らなかったとかでは無いんでしょうか?何か意味があるんですか?」 (この日記帳凄く熱い、悲しみ、怒り? リン首が痛い、何なのこの臭い おかしい何かある、何処だろうこの臭いの元は.....)
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