ずっと、守る

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すらすらと出てくる嘘を交えた言い訳を部長が止める。渡部さんは部長の怒りを含めた口調に青ざめて「申し訳ありません」と謝ったが、今さら遅い。 部長は打合せが迫っているからと渡部さんへの対応を課長に任せて出て行った。任された課長は苦々しい顔で渡部さんを見る。 「渡部さんも一応社会人としての最低限の心得は分かっていると思うからわざわざ言わないけど、自分のしたことをよく見直しなさい」 見放されたようにも聞こえる課長からの言葉に渡部さんはがっくりと肩を落として「はい」と小さく返した。そんな渡部さんに私たちは何も言わず、業務に戻った。 この日の夕方、広海くんに手招きされて廊下に出た。私の仕事がどのくらいで終わるか聞いてきたので、腕時計を見てから「あと一時間くらいかな」と答える。 今日はイレギュラーな業務に時間が取られてしまったから、定時には帰れそうになかった。広海くんはこれからミーティングもあってまだ当分帰れない様子だ。 「出来れば一緒に帰りたいけど、やっぱり無理だね。で、お願いがあるんだけど」 「うん、なに?」
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