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「紗世、帰る?」
「ううん、帰らない。まだ離れたくない。ここで眠りたい」
「うん、ここで寝ていいよ。俺も離れたくないから」
今日は月曜日だから明日も仕事だ。湊人には帰るつもりと伝えたけど、帰らなくても心配しないだろう。
触れ合う肌のぬくもりが心地よくて、目を閉じた私はすぐ眠りに落ちた。
広海くんはそんな私を包むように優しく抱きしめる。そして、彼もいつのまにか眠りについたようだ。
翌朝、先に目が覚めた私は何も身に着けていないことに恥ずかしくなったけど、それよりも好きな人の隣で目覚めたことが嬉しかった。
幸せだな。
まだ寝ている彼にそっと口づけると、瞼がゆっくり開かれた。彼は開けたばかりの目を閉じながら、私を引き寄せて、自分の胸におさめる。
寝ぼけているのかな?
「紗世、好きだよ」
まだ夢の中なのか分からないけど、嬉しい言葉をくれた。
-END-
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