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事態はもっと深刻なことになっていた。
内部調査の結果、贈収賄の事実は確認されずハッタリだと判明した。また同時に、過去に少々グレーなことが行われていることが判明した。よって私や会計監査の責任者は何度か聞き取り調査を受けることになり、昼休みが消滅した。
深刻なのは二通目に届いたメール。そこに食用油研究不正について書かれていたらしい。
つまりその深刻な事態というのは、不幸中の幸いで私の下にある案件では無かった。しかしもしこれが事実なら週刊誌の見出しに「ニッポン食油、研究不正!」の文字が踊ることになる。
そんな不幸のメールをデスクで前のめりに確認しては、止まらないため息をついていた。
研究部門の人たちが何度か出入り……って噂は完全にこれじゃないか。むしろこっちが本星だ。人が死なないからってデータを弄るなよ……。湧き上がる不満が止まらない。思わず私は「バカか」と毒づいた。
不飽和脂肪酸がなんだか知らんがどうでもいいいじゃないか。パソコン上の数字に彼らは命を握られているのだろうか。
マーガリンは旨いぞ。酸化した油を飲んでも死にやしない。市場が気にし過ぎなんだ。
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