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とにかく、わたしは公園で出会ったあの男性みたいな、「変てこに歪んだ人」に声をかけられやすい体質らしい。
「変てこ」「歪んだ」なんて言葉を使うと感じ悪く聞こえるかもしれないけれど、わたしの立場に立ってものを考えてみると、やっぱりそういう単語しか出てこない。
知り合いでもない人間にそこまで踏み込めること自体、わたしにとってすごく「変てこ」で「歪んでいる」行動なのだ。
だからといって、相手を自分の思い通りに正すことはできない。
わたしがどんなに気分を害したとして――そしてそれが、誰がどう見ても非常識なものであったとしても――相手の人生は相手のものであって、わたしが勝手に矯正できるものではない。
わたしが勝手に人の人生の矯正を始めてしまえば、わたしの方こそ「変てこで歪んだ」人間になってしまう。
相手を変えることはできない。
それなら、ちゃんとわたしはわたしを守らないと。
NO、と早い段階で言える勇気をきちんと持てる人間になりたい。
中途半端な優柔不断をぶら下げてここまで生きてきたわたしだけれど……だからって何でもかんでも甘受して生きていく気なんて毛頭ない。
――「わたしは嫌だ」
――「あなたの言動にわたしは好感を持たない」
――「あなたの要望にわたしは応えない」
我が儘や身勝手とは関係ない、意味のある「NO」を蔑ろにする人間には絶対になりたくない。
……そう思いつつ、しばらく公園に散歩に行くのは控えよう、と寂しく頭を巡らしながら、わたしはこの文章を書いているのだ。
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