始まり

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「どうしてあそこにいるって分かったんだ?」 俺は寮へと帰る途中、司に問いかけた。するとまた携帯が震える。 (だって昔から、何かあるとあそこにいるでしょ それに初めて会ったのもあの場所だから) ふーん、と俺はながす。しばらく黙って歩いていると俺たちの白い小さな寮が見えてきた。 この寮には小学生から高校生までの学生が30人ほどと1人の寮母が住んでいる。この島に来る子供のほとんどは家族がいないから、この寮に入らざるおえない。俺も司もそのうちの1人だ。 もちろん30人全員が同じ学年なわけではない。1学年に3人いればいい方だ。今の最上級生なんて1人しかいないが、運良く俺と司は同学年で今年高校1年になった。 学校と呼べるものは島の坂上に1棟しかなく、海に近くなるにつれ病院やスーパーと言った生活圏が広がっている。寮はその中間にあり、俺たちは毎朝決まった時間内に食事をとり学校へと向かう。
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